昔あちこちで書いたエッセイなどをまとめて出版するため、いろいろあれこれ準備中。
その一環として本屋さん(お茶の水駅前の丸善)に行き、3時間ほど逍遥する。
わざわざ本屋に行って、小説やエッセイのコーナーに2時間近くもいたなんて、実に13年ぶりのことだ。
琉球大学の大学院に進学すると決めた時から文芸書を読むのをパタッとやめた。それまでの25年間は週に1冊くらいのペースで本=小説やエッセイを読んでいたので、自分でもびっくりするほどの大転換だった。2トントラック1台分くらいあった蔵書もほとんど処分した。今手元にある(目につくところに置いてある)文芸書の単行本は、ブコウスキーが何冊かと、柴田元幸さんが翻訳した小説が何冊か、レイモン・クノーの『文体練習』くらい。残りはダンボール箱2箱しかない。それもミニクラに預けっぱなしだから所蔵していないのと同じことだ。文芸書に代わって今本棚にあるのは図鑑と『生物学なんちゃら』『動物の分類かんちゃら』というようなタイトルの本ばかりだ。13年かけて蔵書の体系が文系から理系に総入れ替えしたってことだな。
13年ぶりの文芸書コーナーの感想は……、うふふ。
高校生の頃から日本の小説ばかり読んでいたけれど、いつからか翻訳ものばかり読むようになった。柴田元幸さんと翻訳者としての村上春樹さんのおかげだと思う。今回も柴田元幸さんの翻訳で読みたいと思う本を見つけた。しかしその本は買わず、結局『Number』のイチロー特集号と図鑑2冊のみ購入。
『Number』はスタイルが創刊号から変わらないのに、まったく古臭さを感じさせない。凄いことだ。ライターの書く文章のクオリティも変わってなければいいな。私はスポーツ全般に疎いので『Number』で仕事をしたことはないけれど、『Number』の副編集長と何度か飲んだ。名前すら忘れてしまったけれど(彼も私のことなど覚えていないと思うけれど)、とても頭のいい人だった。きっと今もどこかで良い仕事をしていることだろう。
『Number』はさておき。
丸善やジュンク堂、西武のリブロなど、潰れてほしくない、潰れたら困るので、本は書店で買わないといけない。とは思うものの、紙の本を買っても結局自炊してPDF にしてからiPad で読むのだから、キンドルで買うほうが合理的なのだ。
長年ライターをやってきた人間がこんなことでいいのか、とは思うのだけれど。
泣く子と老眼には勝てない。
ということで、時代と自分のニーズに対応して、次の私の本も電子出版でございまする。出版の暁には是非皆さんご購入くださいませ!
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