今週末のウミウシカフェのテーマは「メリベウミウシの見分け方」。現時点における最も正確な知見をお伝えせんと、新しいテーマで話をしようとするたびに関係する論文は読み直している。論文を読むのはさすがにもうさほど苦痛ではない。ウミウシを始めた1996年頃は英語力の劣化もあって(なにしろ大学受験以来英語の読み書きを一切しなかったからね)苦痛だったけれど、20年も読み続けていればそれなりにどうにかなるってものだ。それよりも困るのは読みたい論文が見つけ出せないこと。新しい論文は比較的簡単に見つかるし、見つけられなくても著者に頼めば(メールを送れば)、たいていの人は送ってくれる。現に私も今日フロリダの研究者からの要望に応えてmy paper を1本送った。一方で古い論文を捜すことは難しい。琉大の院生だった頃はずいぶん苦労して捜して、その上高いお金を払って論文を買ったりもしたものだった。が、最近はスミソニアンのBiodiversity Heritage Library がある。
今日は1980年代のメリベウミウシの論文捜しに、久しぶりにBHLにアクセスした。すると、希望するページを選んで、とある方法でちゃちゃちゃっと操作したら、すぐPDFにして送られてくるようにシステムが進化していた。
すごいぞスミソニアン!
ネットがどんどん進化するのはいいけれど、こういう具合になってしまうと、「ウィキペディアに載っていることは全て正しい」どころか「ネットに載っていないことは世の中に存在しないこと」みたいなことを言う学生、ひいては一般社会人がさらに増える=アホ度がさらに深刻化するんじゃないかと心配だ。アホがネット上で大きな顔をしている日本のウミウシ業界はさらに心配(笑)。
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