3日め。午前中はポスター、偶数番号の発表。聞きたい演題は昨日聞いたので、ポスターを撤収する時間に会場に行く。撤収後はまたPCを広げて仕事をしつつ、夕方まで過ごす。夕方から映像発表(他の学会でいうところの口頭発表のような感じですかね)を見る。カブトムシは樹液を吸うが、自分では樹皮を削らずに他の虫が作った削り跡を利用するのだが、ヘラクレスだけは自分で削る話とか、アカマタというヘビの餌探索の方法とか、ドローンを用いたスナメリの行動観察とか。やっぱ動物「行動」学会だから、動画を用いて動物の行動を見せてもらえると面白い。ポスター発表でも、ポスターの前でiPadで動画を見せるなど、方法はあるとは思うけど。
その後総会があり、学会賞発表、学会賞受賞記念講演と続いて学会は終わり。今年は3日間連続でしっかり参加した。中嶋先生に挨拶して、小蕎くんと今後の研究計画の話などしつつ渋谷まで一緒に帰る。
全参加者600名以上のうち、行動学会会員だけで180名を超えたそうだ。行動学会は若者が多いのが特徴かも。やっぱり「行動」だからフィールドに出ないといけないわけで、分類屋の学会とはかなり雰囲気が違う。
そんな大きな学会に3日間通い続けて疲れた。そして楽しかった。
今回の発表、実は或る事情で研究が継続できずにお蔵入りにしていた。それを、別の或る事情で春の貝類学会で発表することにした。行動学会向けの話だし、せっかく学会に参加するんだから、と思って、N=1であるにも拘らず発表することにした。
他の動物を用いて研究している人に発表を聞いてもらい、指摘されたことがあって、N=1ながら仮説が深まった。『ちりぼたん』の編集幹事とも相談できたので、まとめて論文にして発表しよう。コメントをくださった研究者の方々、ありがとうございました。
日本動物行動学会、来年の開催地は京大だ。しかし秋の京都は混む、宿がとれない。奈良女子大の時も秋の観光シーズンだったために宿がとれなかった。北大(分類学会)の時は会期がよさこいソーラン祭りとかぶっていて、やはり宿が非常にとりにくかった。そのあたりのことを来年の実行委員長はちゃんとわかっていて、観光客が最も多い11月ではなく10月に開催することになった。
でも私は予算をけちり、大阪の実家から会場に通うことにしよう。実家から京大まで、1時間半もあれば行けるかな。来年は図鑑イヤーだから分類学的な話はできるだろうけど、行動学的な研究発表はできそうになさそうな気がする。でも変な行動をとるウミウシはいろいろと見てきているので、もしかしたらまた学会発表できるだけの知見を得られるかもしれない。発表せずに聞くだけ参加でもいいと思うけれど、発表したほうがやっぱり充実度が違うからね。
多くのダイバーがウミウシを前に「わーきれい」「かわいい」「これ何て名前?」しか考えない。もっと「なんでこんな変な行動をとっているんだろう」とか「なんでこんな色をしてるんだろう」とか、「なんで?」と思いながらウミウシを見てくれたらいいのにな。と思って全ウ連をやってるんですが、私の伝道師的能力が低いせいか、なかなかそんなダイバーが増えてくれない。アウトリーチも、もっと頑張らないと!
あっ、年末までは、とにかく図鑑制作を頑張らないとね!
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