大学院生の後輩2人(フクロムシ後輩とホヤ後輩、ともに♂)を連れて、正確には道案内をしてもらって、浦添某所の藻場に行く。
大学から30分もかからない便利な場所に、え、こんなに立派な藻場が? と驚く。
米軍基地の裏側だから、埋め立てられずに済んだわけだね。
3人とも自分の材料は見つけられませんでしたけど、久々の後輩と海は楽しかった。
私は3cm もあるスミゾメキヌハダウミウシを見つけました。撮影はしたけれど採り逃がした。
逃したウミウシは大きい‥‥‥。
ラボに戻って拾ってきたものをソーティングしながら、話題は自然、私の目下最大の悩みであるウミウシ後輩のことに。
やつはこの春の、広瀬先生の実習でも遅刻したそうな。
しかし、スケッチなどの課題の出来は、ダントツの成績だったそうだ。
2人がTA(ティーチング・アシスタント)だったので、それは嘘ではないだろう。
それを聞いて非常に安心した。
やつは先生の直系の弟子となって切片を切ったりスケッチをしたりするほうが向いているってことだ。
卒論のテーマを変えたことは間違いではなさそうだ。
あとはやつのやる気次第だな‥‥‥。
「いずれにせよ、やつは私とは別の道を歩むことになるわねー。私はNudibrancher で、嚢舌目には正直あんまし興味がないんだよね」
「えー?なんでですか」
「だって全然別の動物だもん。解剖してみたらわかるよ。同じ固定方法で固定しているのに、切り裂いた瞬間に嚢舌目は******(ここにはこれ以上詳しく書けない)なんだよ」
「へー。見た目は似ているのになあ」
「フランス人から見たら日本人もベトナム人も同じに見えるけど、って感じかなあ」
最後のたとえは文系的というか、正確ではないけれど、本当に嚢舌目と裸鰓目はぜんぜん違うんですよ。
どこかに私の直系の弟子(裸鰓目ドーリス亜目の分類屋)になりたい人、いませんかねえ。今なら膨大な量の文献と人脈が、もれなくついてきますよ。