部屋が狭いので、ベッド下を書庫代わりにしている。
しかしベッド下は湿気がこもる。本の健康にはよくない。
当初は「ここには半年くらいしかいないだろう」と根拠なく思っていたので、本たちには半年だけ我慢してもらうつもりだった。
しかし既に1年が過ぎ、どうやら卒業までここにいそうな勢いである。
研究に必要な本はすべてドクター部屋に運び込んであるので、ベッド下の本は文芸書がメイン。いくどもの淘汰に耐えた、死ぬまでにあと一度は読み返そうと思っている本ばかりだ。
だから湿気やシミで傷むのはチトつらい。なんとかしないと。
でもiPad で読めるようになったら、紙の本はもういらないなー。などと最近は思ったりしている。
ここまでは前フリ。
フト思い立って、とある本を取り出すために、ベッドマットを起こしたりして午後は家で一汗かいた。
そして遭遇してしまったのだ。
ゴキブリに。
ベッド下に大量のゴキが渦巻いていた、わけではないよ。もしそんなことになっていたら私は明日引っ越します。ではないが、2匹も、まとめておでましになった。
ガサガサ、カサカサ、と音がして、背筋にぞくっと冷たいものが。
あのテラテラ、ヌラヌラ、した光沢。コソコソ、ガサガサ、という音。
殺すにしくはなし。
で、殺虫剤をぶっかけたところ、よたよたよた、とした次の瞬間、1匹がこちらに飛んできた。
ぎゃー!
絶叫し、しかしここでひるんではならぬ、やつらに占拠されるわけにはいかぬ! と心を強く持って再び殺虫剤をドッバー! しばらくして、ふたたび、ガサガサ、と音がしたので、音のする場所に盲滅法にドッバー! 洗濯したばかりの服の上を這われて卒倒しそうになったが、目をつぶって殺虫剤をドピュー! キッチンのフローリングのほうに追いやってからホウキでバシッ!(しかし腰が引けているので、ハシ~、くらいにしかたたけない)、そうこうしている間にゴキのやつ、車に積もうとキッチンの隅というか玄関に置いてあったウエットスーツの隙間に逃げ込んだ。
ぎえーやめてくれ~!
と、また絶叫し、ウエットスーツを振り回し、天井に飛び移ったゴキにまた殺虫剤をブシュー! と噴射して、
ボタ。
と床に落ちたところを、すかさずトイレットペーパーでつまんでトイレに捨てた。
もう1匹は使っていない家具のジョイント部分を入れたビニール袋の中に逃げ込んだので、その袋ごと別のビニール袋に突っ込んで殺虫剤をブシュッと封入。ガサガサいうブキミな音が袋の中から聞こえるが、手の施しようがないのでそのまま放置。
1時間以上戦った。激闘であった。
一応勝利はしたものの、たいへん消耗した。
ゴキとの戦いは、常に非常に消耗する。
しかし、いくらカブトムシくらい巨大だとはいっても、わずか2個体のゴキブリにあれほど殺虫剤を撒くか?
気分が悪くなると思ったので、急ぎ大学に逃げてきた。
今日は朝までここにいよう‥‥‥。
朝6時20分追記:
あたーらしーいーあーっさがきたっ。きーぼーおーーのあーさーっ。
もうゴキブリは死んだよねー?
きぼうをむねに、おうちにかえろう~。