東京大学の三崎臨海実験所から生きたウミウシが届く。
輸送方法が素晴らしかったので、皆さんにもご覧いただこうと思います。
箱は必ず発泡スチロールの箱を使います。
その箱の底と側面にエアパッキンを敷く。
大きめ・分厚めのビニール袋を2枚重ねにし、内側に海水を満たし、ウミウシを入れる。
ここまでできたのが上の写真です。
次に内側の袋をしばる。袋に空気はできるだけ入れず、海水で満たした状態で、内側の袋のみを輪ゴムできつくしばる。
さらに外側の袋も輪ゴムできつくしばる。
内側・外側を別々にしばることで、二重に水漏れを防ぐわけですね。
上の写真は外側の袋をしばろうとしているところ。
最後に凍らせた保冷剤をエアパッキンでくるみ、袋の上に置いて、発泡スチロールの箱のふたをおいてガムテープでとめる。
中野方式では、500cc くらいの透明な採集瓶を送る個体数だけ用意して、1個体ずつ分けて入れてました。で、瓶と瓶の間に新聞紙でくるんだ小さな保冷剤を挟んでいた。
移送中に揺れて個体どうしがぶつかると傷む=死ぬので、ミノウミウシなどデリケートなやつは中野方式のほうがいいと思う。採集瓶ではなくビニール袋を使う三崎方式は、採集瓶のコストがかからない分いいと思う。
いずれの場合も容器に空気はほとんど入れずに海水で満たす。空気を入れたほうがいいという人もいるが「移送中に海水が揺れると、揺れた時にできる泡で傷む動物もいるので、空気は入れなくていい」と広瀬先生。
ウミウシは泡で傷むほどデリケートな動物ではないけれど、空気層に飛び出してしまったりするとまずいので、空気たっぷりは必要ない。むしろ海水がたっぷりあることと、海水の温度管理のほうが重要。だから発泡スチロールの箱+保冷剤はマストなのです。クールとか冷凍とかで送るとウミウシが凍死するし、常温で送ると温死(変な言葉だけど、そうとしか言いようがない)します。
保冷剤をエアパッキンや新聞紙でくるむのは、海水が冷えすぎるのを防ぐためです。
今後生きたウミウシを送る予定のある方(=中野に協力してくださる方)、参考になさってください。