kazu1961omi 山口一臣 on twitter:
ラジオで聞いた野田首相の会見で驚愕したのは、冷温停止状態になったことで「事故そのものは収束に至った」と述べたことだ。聞き間違えかと思ったけれど、そうではなかった。バカかコイツ、と正直思った。同時に強い憤りを覚えた。こんな認識で原発の再稼動を目論んでいるとしたらとんでもないことだ。
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とんでもないことだよ。
テレビしか見られない(=ネットから情報を得られない)ジイさんバアさんではない人たちは、ネットから正しい情報をきちんと得よう。
テレビから得る情報はマスコミによって情報操作されている、一方 ネットから得る情報は正誤入り乱れているが、中に情報操作されていない「事実」が埋もれている。なので政治問題を知ろうとする場合は、情報ソースとしてネットを選ぶのが正しい。といっても朝日コムとか読売オンラインとかの大手マスコミのネットだけ見ているのではTVと変わらないけど。
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これに対してウミウシの分類や生態や行動は、ネットに書いてあることの多くが信用できない。
科学の場合も政治問題と同様にネット情報は正誤入り乱れているが、それゆえに情報ソースとしてネットを選んではいけない。「ガイドの誰それさんがそう言っていたから~」とかさ、ホントやめてほしい。
信用していいのは科学論文だけです。
うちのゼミのウミコ後輩が先週ブドウガイについて書かれた論文の紹介を行ったのだが、発表の場で「<ウミウシ図鑑.com>などを参考にした」といったので「あんなもんを参考にするやつがいるか」と叱責してしまった。
理系の大学生でもこういう間違いを侵すくらいだから、一般の人はネット上に書かれたことをイチコロで信用してしまうんだろうなー。いやはや。
ウミウシに限らず、さまざまな生物の図鑑がネット上で作られているけれど、ウミウシの場合は特に間違いが多いような気がする。
間違いが多くてイライラするので一般の人のウミウシサイトはできるだけ見ないことにしているんですよ。いちいち「はじめまして、あのですね、実に僭越ながら貴殿の書いておられることがやや間違っているようで云々」とメールして回るわけにいかないし。
でもまぁそれは、それだけ裾野が広いからだろう。分母が大きければ間違う人も多いのは当然だ。分母が大きいのは研究者としては嬉しいことだけど、間違いがバーッと広まってしまうのは困ったものです。
しかし実は信用していいサイトも少しはある。Rudman やBehrens や Willan など研究者が責任を担っているサイトだ。これらは別格で、論文に引用することもある。
一般の人が自分のサイトを「ここは信用できるサイトだ」とユーザに思ってほしいと願うなら、せめて典拠(どの論文に書いてあったか)を示すことですね。間違えて和訳してはどうにもならんけど・・・
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今日の沖縄は久しぶりの晴れ。家にいるので風や波のことはわからないが。
いずれにせよ今日も終日蟄居して論文執筆。
これが次の論文につながり、次の論文がウミウシ大図鑑につながる。と想定して執筆してます。
図鑑ちゅうもうのは延々と勉強しないと書けないものだ、ということが、最近ようやくわかってきた。
著者たちがぜんぜん勉強しないで「えいや」で書いたものが『ウミウシガイドブック』のシリーズ。あれらのおかげでウミウシ好きは増えたけれど、あれらは弊害も大きかった。あんな無謀なことはもうできない。