ゴス(ゴスライナー)もデス(ヴァルデス)もレンス(ベーレンス)も頑張ってる。しかしあちらは私と違い、研究と後進の指導だけやっていればいいご身分だ。私は全ウ連の会員の方々に活動をサポートしてもらっているとは言え、服やら本やらワインや焼酎を買うカネくらいは稼がないといけない。多少は家賃も払わないといけないし、大学院時代の借金がまだ40万円ほど残っている。なので<ベータ版日本のウミウシ>や<日本産後鰓類DB>ばかりに時間を使っているわけにはいかないのですよ。……と、仕事の遅い言い訳をしますが、それでもこの連休だって、どこにも行かずにジミーーに作業して、PDF図鑑<ベータ版日本のウミウシ>のバージョン3、やっと2分の1ができた。今年になって頭楯類の大きな論文が出たことを、つい最近まで知らなかった。変更もいろいろあったし、新しい科やら属も創設されたから、いろいろと書き直しました。
Web上データベース<日本産後鰓類データベース>は、DB部分がほぼ完成したので、あとは細かいところ(デザイン含む)の調整。それから<ベータ版日本のウミウシ>で採用している分類体系を反映させないといけない。
ゴスデスレンス大図鑑は、ウィキペディアがいうところの「独自の研究」をしてくれている箇所が数ヶ所ある。新しい図鑑でもおそらく独自の研究をしている箇所があるはずなので、<ベータ版日本のウミウシ>や<日本産後鰓類データベース>とは違ってくるところもあるだろうな。で、読者には「あそこが違う」だのなんだのと言われるんだろう。
私が何を典拠にしているのか、どこかで説明しておかないといけない。
<日本産後鰓類データベース>の微調整とWebデザイン完成後、<ベータ版日本のウミウシ>の分類を反映させたら、写真と補足のデータを入れてって、10月末には公開したいものだ。ベータ版のバージョン3もほぼ同時期に。
<日本産後鰓類データベース>は、今までのべ9名のボランティアの方々に手伝ってもらった。その方々のおかげでできた枠組みを用いてDBの基礎を構築したけど、公開に向けてもう少しデータを載せていきたい。
いや、早めに公開して、補足データや写真の追加掲載は公開してからでもいいのかもしれない。
いずれにせよ、<日本産後鰓類データベース>に写真と補足のデータを入れていく作業、時期がきたら、またボランティアを募ります。どうぞよろしく。
ところで<ベータ版日本のウミウシ>ですが。
最初は和名提唱論文を学会誌に投稿して、受理されて掲載されたら<ベータ版日本のウミウシ>に和名を反映させてバージョンアップし、最終的にはバージョン10まで行くつもりだった。けれど、たかが和名提唱論文なのに、やたら時間がかかってしまい(投稿してから受理されるまでに頭楯類は1年半、嚢舌類なんか2年半かかった。私の仕事が遅いせいではありませぬ)、こんなことをやっていたらいつまでたっても新しいバージョンに進めない。
そして、そうこうしている間にも、今回みたいに頭楯で大きな論文が出た、とかフシエラガイで大きな論文が出た、とかするたびに(=分類学的に貴重な論文が出るたびに)その場所に戻って書き直しをやっていると、やはりいつまでたっても新しいバージョンに進めない。今回もドーリスまで進んだところでまた頭楯類に戻って、1週間くらい論文を読んだり写真を探したり懊悩したり、していた。連休中は頭楯類で頭がいっぱいでございました。
そこで、バージョン3は 頭楯目のみ、4は嚢舌目のみ、という具合に目ごとの図鑑にしてバージョン10まで突き進んでしまい、バージョン11で統合する、というのもアリかも……と、ふと思いついてしまった。
和名提唱論文は粛々と書いているので、受理されたら<ベータ版日本のウミウシ>に反映させるのではなく、そのつど全ウ連機関紙『季刊うみうし』で報告するので必要かつ十分ではないかと。私の研究活動をサポートしてくれている人を優先して情報を提供するのは、ある意味当然ですものね。
何をどうやっても批判したがる人はいるので、せめて自分が後悔しない方向に舵を切りたいものだ。