アマゾンプライムに『ターミネーター』の新作『ターミネーター:新起動/ジェニシス』があった。『ターミネーター』を愛する私としたことが、この映画の存在を1年1ヶ月も知らなかったなんて。いくらTVを見ない人でも、世間の情報を知らなさすぎる。反省。
『ターミネーター』は『1』と『2』があまりにも素晴らしいので、『3』と『4』には心底がっかりした。TVシリーズの『サラ・コナー・クロニクルズ』のほうが、よほど『1』と『2』をリスペクトしている。『1』と『2』、『サラ・コナー・クロニクルズ』DVDは繰り返し見たが、『3』と『4』はDVDを持ってません。だからこそ『3』と『4』みたいな、『ターミネーター』とは名ばかりのしょーもない作品だったらイヤだなあ、と思いながら、やや構えながら見始めた。
ところがこれが面白い!
これは『1』と『2』の正当な後継作だ! と思いながら楽しく途中まで見ました。
バイカーと裸のシュワルツェネッガーとのからみのシーンに始まり、深夜のスーパーでカイルが服と靴を盗むシーンが続く、など『1』と『2』をリスペクトしているシーンや台詞が随所にあって、いちいち嬉しくなった。
でも残念なことに、途中(2017年にタイムスリップして)からつまらなくなった。
『1』と『2』はターミネーターが強くて怖くて、どんなに戦って、一度はぶっ壊したかと思っても平然と追いかけてきて、サラやカイル・リースは追いつめられてボロボロになって、でもなんとか勝って生き延びた。その緊迫感があったから良かったわけですね。その点今回のターミネーターは弱すぎてがっかり感が否めない。どんなにぶっ壊してもすぐ修復してどこまでも追いかけてくるのだけれど、戦いには弱くてすぐにぶっ壊れる。カッコ悪い。敵がすぐぶっ壊れたら、主人公たちに感情移入して、手に汗握って「頑張れー!」と主人公を応援して見ることができない。
ご都合主義的な展開も何箇所かあったし(タイムマシンって一度に何人も乗れたっけ?とか、逃げるのになんでわざわざあんな目立つ黄色いバスなんか盗むの?とか)。
キャストについて。
サラ・コナー役の女優エミリア・クラークが、時々リンダ・ハミルトンとダブって見えて、それは良かった点。もっとマッチョな女優にしてもよかったんじゃないかとも思うが、リンダ・ハミルトン路線のままではリンダを超えられる女優はいないと思うので、やや似た表情を垣間見せる、かわいい女優、の登用でよかったのかもしれない。クロニクルのサラ役なんかリンダとは似ても似つかぬタイプだったけれど、あれはあれでよかったからね。
問題なのはカイル・リースが女が惚れそうな感じではないことだ。その点『1』のカイル・リースはよかったなぁ(遠い目)……。最後にキスするのも無理っぽい展開だし。
ジョン・コナーに至っては言葉もなし。口の小さい男はダメでしょ。
スカイネットを物理的にぶっ潰しても、プログラマが生きている限りまたすぐ作れるし、サラ・コナーを守って一度は死んだはずのターミネーターがバージョンアップして復活するなんて、終わり方も残念感でいっぱい。
それやらこれやら、こういう娯楽映画はアラ探しをするとキリがない。そういうところに目をつぶって、もう1回見たいかというと……前半までかな。
いや、それでも『3』や『4』よりは断然マシだ。
この映画は『3』と『4』を存在を無視して制作された点も評価されるべきだ。前半は文句なく素晴らしいわけだし。
そこでワタシ的評価としては、前半90点、後半40点。総合評価は足して2で割って65点? 老いて頑張るターミネーターT-800=シュワルツェネッガーを見られたので、5点おまけして総合評価、70点を進呈。
この表情は良かった(笑)。
『1』と『2』が見たくなった。『2』なんか今までに10回くらい見てるんだけどね。で、見るたびに泣いている。また今度も泣くかしら。
……仕事しなくちゃね~。
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